半年に1度のリフレッシュ休暇は絶対取得してもらう 株式会社YSK 石川大翼さん(YSK特集1)
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症やコロナワクチンについては、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

半年に1度のリフレッシュ休暇は絶対取得してもらう 株式会社YSK 石川大翼さん(YSK特集1)

ものづくり新聞

編集部が訪れたのは大阪府八尾市にある株式会社YSKです。自動車などで推進力を伝える回転軸の部品シャフトを製造・販売しています。
『シャフト王国』を掲げるYSKさんは、九州、大阪、福島に工場を持ち、シャフト製品を全国各地へ提供しています。3つの工場を合わせると、合計で1日約600本のシャフトが出荷されているそうです。

画像1

シャフトの材料が、サイズや素材ごとに並んでいます。壁一面に材料が立て掛けられている様子は圧巻でした。

画像2

画像3

画像4

画像5

YSKさんは、長尺シャフトの製造を得意とされています。佐賀県にある九州工場では、長さ6メートル・直径200ミリまで製造できるとのことです。
加工現場を案内してくださった本社製造課のリーダー中島直輝さんは、「シャフト加工は経験や感覚による作業が多く、操作方法は教えられるが、覚えるには何度も挑戦して身につけるしかない」とおっしゃっていました。

画像6

出来上がった製品は木箱に入れられ、全国各地へと出荷されます。YSKの強みは一貫生産です。材料購入から切断、旋盤加工、フライス加工、検査を社内で完結し、お客様の元に届けることができます。一貫生産しているからこそ、何か不具合が起きてしまった時の対応が素早くできるそうです。

しかし、YSKはただのシャフト王国ではありません。社員への福利厚生や、結束を深めるための取り組みに力を入れているという噂を聞き、確かめるべく本社工場を訪問させていただきました。

お話を伺ったのは、製造部本社製造課課長代理の石川 大翼(いしかわ だいすけ)さんです。

父の働く姿を思い出した

画像7

ーー石川さんにとって家業であるYSKは、幼い頃から身近な存在でしたか?

子供の頃はすぐ近くに住んでいましたし、夕方になると『いつ帰ってくるの?』と両親がいる工場に電話をかけることもあり身近でした。

ーー家業はどんな印象でしたか?

子供の頃は全く興味がありませんでした。正直な印象としては、汚いというイメージです。いつかやってみたいなとは思っていなかったです。

ーー学校を卒業後は、どのような道に進まれたのですか?

高校卒業後、海外製ステンドグラスの輸入・販売を行う会社に就職し、主にステンドグラスを切って配送する業務を担当していました。
その会社が9時半始業の6時終業で、残業もなく定時をきっちり守る会社だったんです。

ーー定時通りというのは、一般的には良い会社だと感じます。

そうですよね。でも、私の父(現社長)の働く姿を思い出したんです。父は休み返上でとにかく働く人で、そんな姿を見ていたので、皆社会人になったらそんな感じになるものだと思っていました。自分もそのように働こうと思っていたので、働いている実感が薄いというか、満足感がなかったんです。父が頑張っているのに、自分は何しているんだろうという気持ちもあり、23歳の時にYSKに入社させてほしいとお願いしました。

画像8

ーー石川さん、ガッツがありますね!

中学時代は真剣にラグビーをやっていて、大阪選抜に選出されたこともありました。ストイックな縦社会には慣れていましたし、体力にも自身があり、もっと働きたいなと思いました。

ーーYSK入社後は、どのような業務をしていましたか?

7年ほど現場の業務を担当し、ほぼ全ての工程を経験しました。実は高校3年生の夏休みの時期に、1ヶ月半ほどYSKでアルバイトをしたことがあり、ある程度流れや作業などは理解できていました。

ーー幼い頃は興味が持てなかった家業に入社し、率直にいかがでしたか?

加工の仕事はめちゃくちゃ面白かったです。ものづくりって楽しいと思いました。今はダメですが、当時はスキルアップのために休日出勤の申請をせず、休みの日も現場で働いていました。20代の頃はほぼ毎週そんな生活をしていましたね。

高い離職率をなんとかしなければ

画像9

ーー福利厚生、休暇、社内行事など社員向けの取り組みに力を入れていると伺いました。力を入れるようになった背景を教えてください。

もともとYSKは離職率が高く、人がどんどん辞めていく状況をなんとか改善したいという社長の思いがきっかけでした。これまで経営理念の2つ目に掲げられていた『社員満足』を1つ目に変更し、より一層会社全体で取り組もうという雰囲気になりました。

ーー具体的に石川さんはどのようなことを心がけ、『社員満足』を達成しようと考えておられますか?

離職率が高かった理由の一つに、残業が多く休みが取れないという問題がありました。そこで会社として、誕生月に休みが取れるバースデー休暇と、半年に1回自由な日に休めるリフレッシュ休暇を導入しました。また、制度として定めるだけでなく、きちんと休めるように残業や休暇の管理にも力を入れています。

ーー特急の仕事があると、休みの計画も難しいのではないでしょうか?

タイミングが読めない特急の受注もあり、難しいです。リフレッシュ休暇は半年に1度だからなんとか計画できています。

ーー中には、休まなくていいよという人もいるのではないかと思いますが、実際はどうですか?

特に現場は仕事が目の前にあると、自分たちから休もうとする人は多くないです。ですので、そこは私たちがしっかりフォローしています。リフレッシュ休暇は半年に一度必ず取るものなので、前日から現場のフォローを徹底して絶対休んでもらっています。

画像10

ーー他に現場で改善されたことなどはありますか?

最近、Slack(スラック:チーム間のコミュニケーションツール)を導入しました。応接室を使う連絡や、来客情報などの内容を200名の社員ほぼ全員が共有しています。それまではメールアドレスがない人も多く、人づてで連絡していたこともよくあったので、コミュニケーションは活発になったと感じます。

ーー現場で作業していると手に油がついてしまい、スマホを触りたくない時もある気がするんですが・・・そこはどうしていますか?

現場で作業している社員のほとんどは、報告も兼ねて工場長やリーダーを通して連絡してもらっているので、特段問題はないと思います。
あと、僕がいいなと思ったのは、女性社員と連絡を取る時ですね。Slackを通して連絡できるようになったので、直接連絡先を交換する必要がなく、安心感があると思います。

ーー200名もいらっしゃると情報共有も大変そうですが、そういったツールを上手く活用できているのは良いですね。

40キロウォーク、全員で社員旅行

画像11

ーーイベントや社内行事にも積極的だと伺いました。

弊社の役職者は研修として『管理者養成学校』を卒業するのですが、そこで行われる「40キロ歩く」という課題をYSK社内でもやりました。管理者養成学校というのは、その名の通り管理者としての自覚を形成するために様々な訓練をする社員研修です。約2週間ほどの厳しい訓練のひとつに、40キロ夜間進行訓練があります。

ーー40キロ歩くのですか?!

この時は、大阪、福島、九州それぞれの場所に、社員有志が各10名ほど集まり、40キロ歩きました。大阪本社のある八尾市から、ちょうどユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行って帰ってくるくらいの距離です。8時間くらい掛かりました。

ーーかなり珍しい行事だと思います。社員旅行も実施されているとお聞きしました。

新型コロナウイルス以前は、年に1回必ず社員旅行に行っていました。YSKにとっては当たり前のイベントですね。3拠点に工場が分かれていることもあり、業務上関わることのない人と交流できるので、コミュニケーションの活性化に一役買っていました。

ーー200名全員で行かれるのですか?

コロナ前、沖縄に行った時は100名ずつ2回に分けて行きました。

画像12

ーー旅行の費用はどうしているのですか?

会社が給与から積み立てたお金が2万円ほどあり、残りは会社負担でやっています。昨年と今年、新型コロナウイルスで社員旅行に行けなくなった分は返金されていて、また次回のために積み立てを始めています。

ーー社員旅行ができるようになったら、どこに行きたいですか?

グアムですね!20年ほど前にグアムに行っていて、その時僕はまだ子供で行けなかったので、是非行きたいですね。

活気のある会社にしたい

画像13

ーー新卒の方も毎年採用されていると伺いました。

私の弟が採用担当をしていて、ここ5、6年は大卒の新卒者を採用しています。女性の方にも入社いただいています。

ーー新卒者の方は入社後どのような仕事をされていますか?

基本的には学歴問わず何でもしてもらいたいという考えなので、シャフト加工の現場へ配属される方もいます。採用はこれからも継続していく予定ですが、入社後どのように育てていくかというところはまだ課題があると感じています。

ーー新卒者の教育や、スキルアップの課題でしょうか?

はい。教育しながらも、もっと活躍の機会を作ってあげたいと思っています。あと、これまで現場の最前線でやってきたメンバーと、新しく入社したメンバーをうまく合わせていくことも課題です。

ーー石川さん個人の目標や夢はありますか?

「JIS Q 9100」という航空宇宙業界の品質マネジメントシステムの規格があり、その取得が今の目標です。取得して、難易度の高い宇宙航空機関連の仕事にも手を広げていきたいです。
あと、YSKの知名度を上げていきたいです。スライドシャフトを製造しているのは全国で7社ほどですが、YSKの知名度はまだまだ低いと思っています。「シャフトといえばYSK」と思ってもらえるように知名度を上げ、それに応えられるだけの技術力も高めていきたいです。

ーーコロナ禍が落ち着いたら、社員旅行やイベントも復活できるといいですね!

社員旅行やイベントを通して、社内のコミュニケーションをもっと活発にさせたいですね。部署問わず交流し、良い雰囲気の中で仕事をしていきたいです。

株式会社YSK
本社所在地  大阪府八尾市泉町1丁目17番地
代表取締役社長 石川直人
会社HP  株式会社YSK


編集後記

社員旅行は減ってきているという感覚をお持ちの方も多いと思います。私たちもはじめはその規模に驚きましたが、こういった機会は社内の色々な人と交流するきっかけになると思います。このコロナ禍だからこそ、やり方を工夫しつつ、社内のコミュニケーションを活発にさせる働きかけをしてみてはいかがでしょうか。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

何かご興味があればこちらから。掲載企業へのお問い合わせや取材のご相談など、ものづくり新聞編集部が窓口となりサポートします!まずはご相談からお気軽にどうぞ(無料)

ありがとうございます!ものづくりはおもしろいですよ!
ものづくり新聞
あらゆる人がものづくりを通して好奇心と喜びでワクワクし続ける社会の実現をビジョンに、ものづくりの現場とつながり、それぞれの人の想いを世界に発信することで共感し新たな価値を生み出すきっかけをつくりだすメデイア。運営:株式会社パブリカ:https://publica-inc.com/