ものづくり新聞
できるかどうかではなく やるかどうか 故郷を思い熱い情熱を燃やす スズキハイテック株式会社 カン・モハマド・ラハトさん
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できるかどうかではなく やるかどうか 故郷を思い熱い情熱を燃やす スズキハイテック株式会社 カン・モハマド・ラハトさん

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山形県山形市銅町にあるスズキハイテック株式会社を訪ねました。銅町とはその名の通り金属の銅を表しています。かつて鋳物工が多く住み、金属工芸や金属加工に発展していったという歴史ある町です。

スズキハイテック株式会社 本社
めっき処理はめっき槽に浸漬して行います。そのための水槽がいくつも並んでいます。

スズキハイテック株式会社は、ハイブリッド自動車や電気自動車などの部品や半導体部品のめっき加工等の表面処理を行っています。お客様から提供された部品に表面処理を施す他、表面処理に関する開発、提案にも力を入れています。生産拠点は日本、メキシコ、中国にあります。

特に2015年に本格的に取り組み始めた表面処理の開発の分野では、海外出身の従業員が活躍しているといいます。2015年から国籍を問わずに広く採用を始め、現在では30名を超える海外出身者が在籍しています。海外出身者の強い精神力と向上心、情熱が日本のメンバーにも良い刺激になっているそうです。

カン・モハマド・ラハトさん

今回はバングラデシュ人民共和国出身で、第二事業部製造一課のカン・モハマド・ラハトさんにお話を伺いました。

日本で居酒屋の料理長まで勤め上げた

ーー日本にいらっしゃるまではどんな仕事をされていたのですか?

バングラデシュの貿易会社でL/C(貿易取引の決済に使われる信用状)などを扱う経理の仕事をしていました。

ーーその仕事を辞め、日本に行こうと考えた理由は何でしょうか?

新しいことへの挑戦や自分で何かしてみたいという気持ちがありました。また母国であるバングラデシュには仕事を持つことができない人も多くいて、私はいつかバングラデシュで起業し雇用を生みたいという思いがあります。そのために技術を学ぶなら日本がいいだろうと思い日本への留学を決めました。

ーー日本語の勉強はどのようにしたのですか?

バングラデシュにある日本語学校に通いました。実は貿易会社で仕事しながら大学院にも通っていて、更に日本語学校だったので当時はかなり忙しかったです。日本語学校は休日に1年ほど通っていました。

ーー日本に来てからはどのような暮らしでしたか?

宮城県仙台市にある日本語学校に2年間通い、その後電子系の専門学校に進学しました。専門学校では日本企業で働くことを目指す学科を選択し、日本語能力を高めながらビジネスマナーや知識、パソコンの操作などを勉強しました。
アルバイトも色々経験していて、最終的には仙台にある居酒屋で料理長をしていました。立場上なかなか休めないくらいに忙しくて、スズキハイテックに入社する前日まで働いていました。笑

ーー頼りにされていたのですね!休みの日はどのように過ごしていましたか?

学校にはバングラデシュ出身の友人がいて、みんなで集まってパーティーしていました。

ーー同郷の仲間もいらっしゃったのですね。好きな日本の食べ物はありますか?

蕎麦が好きです。夏は冷たいもの、冬は温かいものと一年中食べています。居酒屋で働いていた頃はメニューにあった牛タンや仙台牛を結構食べていました。

7ヵ国もの国から集まり共に働く

ーー専門学校を卒業し、スズキハイテックに入社されたのですか?

はい。仙台や山形で就職活動をしていて、合同説明会に参加しスズキハイテックを知りました。専門学校の先輩が入社していたこともあり、自分もここに入社したいと思いました。

ーースズキハイテックで働きたいと思った決め手はどこですか?

1点目は海外事業や海外に拠点を持っている点です。いつかバングラデシュで仕事ができるかもしれないと思いました。2点目は説明会の時に社長が優しそうで安心した点です。

ーー仕事はどのようにして覚えていきましたか?

直属の先輩に教えてもらいました。特に山川さんはいつも丁寧に教えてくれます。

カンさんが仕事を教わったという山川太一さん

総務課 武田寛貴さん:当時は既に5名ほど外国籍の方が入社していましたが、海外出身の方に仕事を教えることなどはまだ慣れていなかったと思います。

ーー現在の仕事内容を教えてください。

今は、「技師」という役職をいただいて、課長の補佐として働いています。自分の生産ラインでは自動車部品、産業機器、医療機器などの部品の処理をしながら、チームメンバー11人のシフトを管理しています。メンバーが無駄なく効率良く仕事を進められるように予定を確認・指示、技術指導も行います。生産計画を立てそれに対する実績を確認し、遅れが生じた場合はどう対応するかという検討もしています。

ーー自分の仕事をしながら11人もの管理は大変ではないですか?

最初は確かに大変でしたが、今は大変だとはあまり思わないです。何事もやる気があるかどうか、やるかやらないかだけだと思っています。

ーー確かにそうですよね。やりがいや達成感を感じる瞬間はありますか?

技師になってからは毎日が新鮮です。約1年前に技師になったのですが、新しいことばかりで面白いです。あと、私が入社して間もない頃、バングラデシュから技能実習生を受け入れるために社長と共にバングラデシュに行きました。現地で技能実習生を希望する方々と会って面談をしました。

ーーバングラデシュからの技能実習生受け入れにも一役買っているのですね。

今度またバングラデシュから技能実習生を受け入れることになりました。今回は残念ながらオンラインでの面談ですが、私も参加します。

ーーカンさんは挑戦や新しいことに対して前向きですね!

子供の頃からそうですね。新しいこともとりあえずやってみようと思って挑戦しています。

ーースズキハイテックで働いてみていかがですか?

外国人に対して優しい会社だと感じています。何かあった時はフォローして助けてくれます。私の先輩である山川さんとは今も仲良しで、仕事終わりに一緒にラーメンを食べにいくこともあります。コロナ禍の時はなかなかできませんでしたが、同じチームのメンバーとバーベキューもしました。

ーー海外出身の方でも安心して働くことができるのですね。

私が日本の運転免許を取得する際も、何度も休みをいただいて免許が取れるようにサポートしてくれました。

総務課 武田さん:現在日本を含めて7ヵ国の方々が在籍しています。それは今や当たり前の光景ですので、外国人だからという理由ではなく一緒に働く仲間として助け合っています。

日本で何がしたいのか 目標を持つ

ーーかつてのカンさんのように日本企業で働くことを目指している海外の方はたくさんいらっしゃると思います。そんな方々にカンさんからアドバイスや言葉を贈るとしたらどんなことを伝えたいですか?

自分は日本で何がしたいのか、何になりたいのかをよく考えたほうが良いと思います。ただ日本に残りたいから・・・ではなく自分の目標を持つべきだと思います。

ーーカンさんの今の目標は何ですか?

今やっている仕事を覚えて、技術を身に付けたいです。そしていつかスズキハイテック株式会社のバングラデシュ支店を作り、今の経験を活かしてリーダーとして働きたいです。更にその先はバングラデシュで会社を起業したいと思っています。

ーーバングラデシュで雇用を生み出したいという夢を叶えた時は是非また取材させていただきたいと思います。

はい。バングラデシュにはスズキハイテックの事業と同じ分野の会社もありますが、日本に来て働いてみるとバングラデシュのレベルはもっともっと高められると感じます。いつかその夢を叶えるためにも今は技術を学びつつ、チームメンバーの管理など色々なことを身に付けたいです。

ーー個人的な夢や目標はありますか?

キャンピングカーに乗って旅行がしてみたいです。

ーーどこに行きたいですか?

夏は北海道、冬は沖縄県に行きたいです。自然の景色や海を見たいですね。土曜日の朝に出かけて日曜日に帰ってくれば仕事しながらでも行けるんじゃないかと思っています。笑

スズキハイテック株式会社
所在地 山形県山形市銅町2-2-30
代表者 鈴木 一徳
会社HP  スズキハイテック株式会社

編集後記

バングラデシュから日本に来て、今ではチームメンバーの作業を把握、管理していると伺い、大変じゃないですか?と質問してしまいましたが、それに対し「大変なこともあるけど・・・やるかどうかだと思っています」と答えてくださいました。会社、自分、母国を想い仕事に取り組んでいるのだと感じました。

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