
ものづくり新聞をなぜはじめるのか?
ものづくり新聞 編集長の伊藤宗寿です。
「他の会社はどんな取り組みをしているんですか?」
「他社は使っているんですか?」
「事例はあるんですか?」
ものづくり企業にお勤めの方々は、製品・サービスの営業が自社に来ると、そんな質問をされているのではないでしょうか?
すると営業の方が「はい、社名は言えませんが、中部地区にある大手自動車メーカー様でお使いいただいています」と言いながらも「でも、これ以上詳しいことは申し上げられません」。本当はもっと詳しいことが知りたいのに、聞けないということはありませんか?
それでは、自分で調べてみようと、インターネットで検索するけれどたくさん製品・サービスが出てきてしまい、調べることに時間をとられてしまうことはありませんか?製品・サービスを提供する会社のホームページには確かに良さそうな情報が買いてあるけれど、そもそもその情報が信頼できるかも心配です。事例を紹介するオンラインセミナーもあるけれど、出ると売り込まれそうだし、電話がたくさんかかってきても面倒だし、と情報収集に困ることはありませんか?
世の中にはたくさんの製品・サービスがあります。それらをうまくつかえば、よい品質の製品が作れたり、コストが削減できたり、短い時間で仕事が終わったり、より魅力的な製品が作れたりするかもしれません。ちょっと難しい言葉を使えば、不良率が下がったり、稼働率が向上したり、リードタイムが短くなったり、顧客満足度が向上するかもしれません。
そんなチャンスが目の前にあるかもしれないのに、そのずっと手前で立ち止まっている方々をたくさん見てきました。
ではどうすればいいのでしょうか?もしかすると、事例じゃないか。やはり事例が知りたい。どう選定するのか、どう導入を開始するのか、どう社内のみなさんに協力してもらうのか、そしてどんな課題があるのか、そんな現場の生の声が聞きたい。製品・サービスの提供元ではなく、利用者側の声が聞きたい。
最初は、クチコミサイトをつくればいいんじゃないかとも考えていました。Amazonや価格.comなどのようにものづくり製品・サービスもクチコミがあれば役に立つのではないか。しかし、自分を振り返ってみても、たとえばオフィス用のプリンターを導入したとして、それをクチコミサイトに書くのかと言われると、書かないかもしれないと感じました。だって、会社のために買うものって、結果私自身が使うとも限りません。買う人と使う人は同じではないことも多いですよね。
それではどうやって利用者の声を集めればよいのでしょうか?
実は、私にも、いまのところ、妙案があるわけではありません。ただ、利用者の方々に事例を直接インタビューし、それをわかりやすく記事にする、そしてそれを配信する。それを試してみようと思っています。ですので、「ものづくり事例新聞(仮称)」と(仮称)をつけています。
この文章を買いている2021年2月時点は、新型コロナ禍ではありますが、そんな中、幸いにもこのコンセプトに賛同いただける方々があり、このような取り組みを進めてみる後押しをいただけました。
この文章をごらんになったものづくり企業にお勤めの皆さんへのお願いです。
「ものづくり新聞記者から取材インタビューを受けてみませんか?」
おそらく、そうお願いすると、皆さんは「うちの事例といってもそんなたいしたことない」「別にそんなに成功したといえるほどのこともない」とおっしゃられるかもしれません。しかし、何か新しい製品・サービスを導入されたのであれば、その導入前後でさまざまなご経験をされているはずです。そして、そのご経験は、きっと他の人たちに役に立つはずです。どうやって選んだのか、なぜそこに決めたのか、導入に向けて困ったことはなかったか、導入後の課題はどんなものか、そんな皆さんのご経験が知りたいのです。
「でも、うちの事例は出したくないなあ」
もちろんわかります。でも、最初に申し上げましたが、逆に皆さんが製品・サービスを探すときにはこんな質問をしているのではないでしょうか?
「他の会社はどんな取り組みをしているんですか?」
「他社は使っているんですか?」
「事例はあるんですか?」
そうなんです。やっぱり事例は知りたいのです。そんな皆さんご自身も。
ぜひ、皆さんのご経験を、日本のそして世界のものづくり企業の方々に役立てていただければ、世界はもっとよくなるはずです。
サービス内容についてはこちら。
monojirei@publica-inc.com までご連絡をお待ちしております。