インタビュー:スマート在庫検知で効率化 在庫管理をもっと愉快にーユカイ工学
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インタビュー:スマート在庫検知で効率化 在庫管理をもっと愉快にーユカイ工学

ものづくり新聞第2回目のインタビューは、ユカイ工学さんです。ユカイ工学さんは、「ロボティクスで、世界をユカイに」を合言葉に、人とロボットが身近な世の中を目指しています。ユカイ工学さんといえば、ファミリーロボット「BOCCO emo」やしっぽクッション「Qoobo」などの家庭用ロボットが有名です。しかし、そんなユカイ工学さんの技術を活用してB2B向けのソリューションも展開されているそうなのです。今日はB2B向けの展開についてお話をお聞きしました。

ユカイ工学について

本日お話をインタビューさせていただくのは、このサービスを担当されているユカイ工学取締役の鈴木さんと、エンジニアの小畑さんです。(以下見分けやすくするため鈴木さん🐶、小畑さん🐼と表記させていただきます)

本日は電話会議ありがとうございます。はじめに自己紹介をお願いします。

鈴木さん🐶:はい。私はユカイ工学の取締役で、事業開発と営業を担当しています。

小畑さん🐼:私はエンジニアで、受託開発などを行なっています。

次に会社について教えていただけますか?

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会社写真2のコピー

鈴木さん🐶:約20名がエンジニアで、ソフトウェアとハードウェアは半分ずつくらいです。あとはデザイナーが4名と、営業・コーポレート部門が数名ずつという構成です。自社製品を作っているのでデザインにはこだわっていますし、自社商品にもこだわりがあります。

そちらはオフィスでしょうか?

鈴木さん🐶:オフィスの会議室です。うちはものづくりがしやすい環境になっていて、CNC工作機械などもあるので加工なども社内で行っているんですよ。


在庫管理・自動発注の仕組みをプレスリリース

そんなユカイ工学さんがどうしてB2B向けなのですか?

鈴木さん🐶:私たちは「BOCCO emo」などのファミリーロボットや「kurikit」という教育系の製品を開発していまして、将来的には一家に一台ロボットがある環境を目指しています。法人向けに、ロボットをカスタマイズする事業と、ソリューション事業があります。今回ご紹介する「スマート在庫検知」はソリューション事業の一つです。ロボットを広げるために、うちのようなベンチャー企業だけでなく、色々な企業と協力していきたいと思っています。

ユカイ工学さんが在庫検知ですか?

鈴木さん🐶:ユカイ工学では、”ロボットとは「心を動かし、人を動機付けすることのできるインターフェース」である”と定義しています。このようなロボットを作るためにはさまざまな技術が必要ですが、その一つにセンシング技術があります。接触、赤外線、温度、音、重さなどさまざまな情報をセンサーで取得し、その情報をもとに相手や外部の状況を判断する必要があります。先にご紹介したBOCCO emoなどもそうですね。いろんなセンサーを搭載しているんですよ。

それらのセンシング技術を使って在庫を検知するということですね。

鈴木さん🐶:そうなんです。

今回、ユカイ工学さんと他の2社さんと共同で在庫管理・自動発注の仕組みをプレスリリースされていましたね。

まずこの「スマート在庫管理」サービスがどういうものなのか教えてください

鈴木さん🐶:メーカーや飲食店、医療施設などモノを管理する必要がある企業にとって、在庫確認や受発注業務は時間の取られる業務の一つです。このサービスでは、「在庫量を計測して仕入れ先に発注する」業務をIoTセンサと発注システムを活用することで自動化し、効率化を図りたいと思っています。

このサービス開発のきっかけを教えてください

鈴木さん🐶:在庫管理って日々の業務の中でも結構な割合を占めているんですよね。ユカイ工学でも自社製品の在庫管理では結構バタバタすることもありました。更にこのコロナ禍ですので、商社のお客様から、出社や客先訪問が出来ず、欠品や発注に関する情報が得にくくなったと相談を受けることも増えました。であれば、ユカイで知見のあるセンシング技術を役立てられるのではないかと考えたのが発想の発端です。

このサービスの案はもともと御社にあったんですね

鈴木さん🐶:はい。ユカイ工学は変わったことをたくさんやっているので、わかりやすい商品を作りたいなという思いもありました。

共同開発している2社とのつながりはあったんですか?

鈴木さん🐶:具体的な案件はまだなかったです。我々はハードウェアのところが強みではあるんですが、お客様の課題を解決するにはいろいろなソリューションを組み合わせなければならないと感じていました。特にIoT開発では、消費電力や通信の部分が課題だったのでそこはセンスウェイ株式会社とよく話をしていたので、そのつながりから声をかけましたね。さらに発注の仕組みも入れたいよねということでCO-NECT株式会社にも声をかけて、3社が集まりました。

主にどんな業界・業種がターゲットになりますか?

鈴木さん🐶:調味料やお酒などバックヤードに積んであるものの在庫検知ができないかというご相談は多いです。ほかには病院や美容室などでも活用できると思っています。対象物はオフィス消耗品、工場の資材、食品などがあります。

ユカイ工学さん


ユカイ工学の持つスマート計測技術

ユカイ工学さんはセンシング技術を担当されているということですが、具体的に教えていただけますか

小畑さん🐼:はい。重量、静電、赤外線などのセンサを用いてモノの在庫量を計測しています。例えば計測するモノが液体だと赤外線センサを使ったり、配置する場所によっては静電センサを使ったりもします。どのセンサを使うかはケースバイケースですね。モノのどこに配置できるかによってセンサを使い分けています。

飲食店だと具体的にはどのように調味料やお酒を計測するんですか?

鈴木さん🐶:例えば、段ボールごと重量センサの上に乗せて、なくなってきたら発注をかけるということができます。センサーもマット型であればA4くらいのサイズなので、その上にドンと置いてもらえれば計測できます。何kgを100%にするかというのは決めておく必要がありますが、そこから減っていけば自動的に計測され、発注まで繋げられます。

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なるほど。他に活用できる業界はありますか?

鈴木さん🐶:他には、病院からご相談いただくこともあります。病院で使われている緑色の手洗い洗剤は業務用のものなんですが、洗面台の下にストックされているものが多いんです。見えないので、なくなってからじゃないと気付かないことが多く、なくなったと言われる前に補充したいという場合にも活用できると想定しています。

監視したいものがたくさんあると活きそうな仕組みですね

鈴木さん🐶:そうですね。でもそこは課題でもあって、例えば重量センサでみたいものがたくさんあった場合、お金もかかるんじゃないと言われることがあります。我々としては全部に置く必要はないと思っていて、受発注の頻度が高いものやクレームにつながるモノだけにこの仕組みを活用して提案をしています。

タイミングや価格によって仕入れ先を変えるなど、発注先が一つに決まっていない場合もあると思うんですが、そのあたりはどうですか?

鈴木さん🐶:はい。そういうお客さんは多いです。必ずしも発注まで自動化したくないという場合は、LINEやメールで補充指示や在庫量計測のお知らせという意味合いで使っていただくこともありかなと思っています。

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それだと活用シーンが増えそうです。それとLINEやメールで知らせてくれるのは便利ですね。

鈴木さん🐶:はい。あとチャットワークもできると思います。そこはお客さんがよく使うツールに対応したいなと思っています。以前相談があった美容室は、本部との連絡をチャットワークでやっていると聞きました。やはり、毎日利用するツールと絡めるのが使い続けてもらえるポイントかなと思います。

美容室ではどんなふうに活用しているのですか?在庫ってあまりなさそうなイメージなんですが・・・

鈴木さん🐶:私もバックヤードに行くまでは知らなかったんですが、意外とものが多いんです。カラー剤やシャンプーなどはすぐに切れちゃうので、ある程度ストックされているんですが、結構な頻度でなくなるんですね。どの商品がなくなりやすいというのはCO-NECT株式会社の受発注システムによってもう見えていて。発注数が多い2商品にフォーカスして、在庫量を検知してみようという風な提案をする予定です。

その美容室はどのくらいの規模ですか?

鈴木さん🐶:グループ全体となると大きいですが、美容室そのものは2.3人でやられているような規模です。

設置環境はやっぱり屋内に限られてきますか?

鈴木さん🐶:我々としては屋内が好ましいんですが、最近外で使いたいという相談がありました。外の場合は電源の確保はもちろんのこと防水防塵をきっちりやらないとすぐ壊れてしまうので、そこをどうするかというのは課題になりますね。

開発で苦労した点はありましたか?

鈴木さん🐶:センスウェイ株式会社の開発キットがあって、LPWA/arduinoなど通信のモジュールもあり、割とスムーズにできました。

小畑さん🐼:サーバ周りも整えられていたので連携などに特に問題はありませんでした。LINEとかチャットワークのAPIも整備されていたので試作を作る上ではスムーズに作れました。

いや、それは小畑さんたちがすでにいろいろご経験の分野だからですよね?

小畑さん🐼:笑

このサービスに関して、今後の課題などはありますか?

鈴木さん🐶:はい。長期的に継続して計測が正しく行われるかの検証をするために、これから実際に設置したいと思っています。

小畑さん🐼:設置する場所が平坦であるかどうかや、外部からの刺激でバラツキが出てしまうなど、チューニングしにくい部分での課題も予想されます。そこは見ながら都度対応していきたいと思います。

導入にあたって

実際に導入する場合、ユーザー側が準備しておくことは何かありますか?

鈴木さん🐶:もちろん何を検知したいかというのは決める必要があります。あとは、常時給電可能であるかやWi-Fiがあるかという環境的なところは最初にお聞きすることになりますね。

窓口はユカイ工学さんになるんですか?

鈴木さん🐶:3社間で紹介しあっているところがあります。今もセンスウェイ株式会社からの紹介でお客様に提案したりしています。なので窓口は3社それぞれという感じです。

その時って、お客さんから見ると取引相手は1社になるんですかね?

鈴木さん🐶:そうですね。どこかで取りまとめてという形になります。

なるほど。導入後困ったことがあった時の対応はどのように考えておられますか?

鈴木さん🐶:そうですね。我々はチャットツールにSlackを使っているので、お客様とSlackのチャンネルを作って密にコミュニケーションを取ることもできます。他の案件ですが、実際に我々がお客様のもとに訪問して保守を行うこともあります。どんな形であれ寄り添った伴走を心がけたいです。

費用はどのくらい用意すれば導入できるのでしょうか?

鈴木さん🐶:我々としては出来るだけ初期費用は頂かずに、パッケージとして月額利用料をいただく形でやっていきたいと思っています。新しいAPIを作るとか、何トンもする重いものを測りたいというような規格外のご相談をいただくこともあって、その場合は個別にお見積もりさせていただきます。

今まで通りにできなくなっている人たちに役立ててほしい

具体的なお話をいくつか教えていただきましたが、どんなことに困っている人に使ってほしいと考えておられますか?

鈴木さん🐶:そうですね。今までやってきたことができなくなってきているという課題は多くの企業であると思います。商社の方はコロナ禍で訪問して在庫補充が出来なくなったり、他にも採用が難しくなっていて1人で何もかも解決しなければならないという状況があるようです。そこを変えたいというお客様に届けたいです。

たとえていうと、どんな存在になるというイメージでしょうか?

鈴木さん🐶:「倉庫に住む妖精」でしょうか?いつも倉庫の中にいて、在庫をみてくれている妖精のような存在になるのかなと思っています。

小畑さん🐼:童話のお話にありましたよね?「The Elves and the Shoemaker(邦題:小人の靴屋)」って物語。笑 

将来の展望を教えてください。

鈴木さん🐶:「The Elves and the Shoemaker」の物語でも、最後に妖精は去ってしまうのですが、おじいさんとおばあさんは幸せに暮らします。ユカイ工学という社名に現れているように、テクノロジーとデザインで、働く人の生活をもっと愉快にしていきたいですね。

小畑さん🐼:開発についてはUIや管理画面周りの開発はまだなので、お客様の要望に合わせて作っていくのは頑張って取り組んでいきたいです。最終的には、簡単に様々な種類の「量」を把握・管理できるものにしたいですね。それによって煩雑な作業からの開放を実現したいです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

鈴木さん🐶:事業運営でモノを扱っている限り、必ず誰かが在庫の確認や発注作業をしています。それは見えない負荷と本人にしかわからないストレスを生み出しており、そこを軽減する事で、もっと働きやすい環境を実現して欲しいです。

小畑さん🐼:モノの把握・処理を自動化することで頭の片隅に今まで置いてきた雑務が消えて無くなれば嬉しいです。




ものづくり新聞編集部より

今回、ユカイ工学さんがB2Bソリューションを取り組んでおられるということでお話をお聞きしましたが、ベースはロボットで培ったセンシング技術を活用しているということでした。それを他の会社と協業することで在庫管理から発注までソリューションとしてご提供されるということでした。

今後、このサービスを実際にご利用されている美容院様にインタビューさせていただく予定です。お楽しみに。

もしもこのサービスにご興味のある方がおられましたら、編集部がご相談窓口までご連絡ください。まだ直接相談する段階ではない、このサービス以外のことも知りたい、という方はお気軽にご連絡ください。

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