創業133年の紙リサイクル企業がペーパーレス!株式会社川春が取り組むDX
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創業133年の紙リサイクル企業がペーパーレス!株式会社川春が取り組むDX

古紙を回収し製紙原料として販売する紙リサイクルの現場でもDXが進んでいるというお話を聞き、ものづくり新聞編集部が取材を試みたのは東京都中央区と埼玉県朝霞市に拠点を持つ株式会社川春さんです。
明治21年創業の川春さんは、印刷工場などから出る産業古紙を回収し、”ベール”と呼ばれる塊(長方体)に圧縮したあと、製紙工場に運搬するという業務を行なっています。これらの業務の中でやりとりされる書類をクラウド化しペーパーレスを実現した取り組みについてお聞きしました。

今回お話をお聞きしたのは、営業担当の平松貴志さんと池ノ内重信さんです。

川春さん紹介_1

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ゴルフ・野球や熱帯魚など多趣味な平松さんは入社25年目、サッカーと海釣り好きの池ノ内さんは入社12年目です。

紙リサイクル業の仕事の流れとは?

🗞川春さんが取り扱っているのは、どういった種類の古紙ですか?

平松さん「主に産業古紙と呼ばれる、印刷会社などの工場から出てくる古紙を中心に取り扱っています。古紙といっても様々な種類がありますので、回収の際に選別しそれぞれの種類ごとにプレスして塊にしてから、製紙会社など次の加工先へ送り出します。弊社の場合、お客様の工場に弊社社員が常駐し、24時間対応で古紙を回収しています。」

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🗞種類ごとに選別するのも結構大変そうです。

平松さん「“混ぜればゴミ 分ければ資源”という言葉がありますが、混ざってしまうと選別するのが大変です。そしてその選別作業は、人の手で行うしかないのが現状です。選別作業の自動化は今後の課題の一つですね。」

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*続々と運び込まれるさまざまな産業古紙を選別していく

🗞選別作業やプレス作業はどのように行われるのでしょうか?

平松さん「回収時に選別されている場合は、弊社業務センターに運搬しそのままベルトコンベアに投入し梱包機でプレスします。手作業での選別が必要な場合は、手作業で種類ごとに選別しカゴに投入します。各種のカゴが3つ になったらまとめてプレスし”ベール”と呼ばれる塊を作ります。1つのベールは1メートル10センチx1メートルx1メートル50センチという大きさです。このベールを番線と呼ばれる針金で縛って完成です。」

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*これがベールです。

🗞24時間体制でなければいけない理由はあるのでしょうか?

平松さん「お客様の24時間体制に合わせていることと、工場内にスペースをお借りしている関係で、多くの古紙を在庫できないという理由です。工場の環境美化の観点からも早く回収したいというご要望もあります。印刷工場では発売前の出版物にかかわる古紙回収をする場合もあり、セキュリティーの観点からも早期回収が求められます。」

🗞重量によって金額も異なると思うのですが、どういった方法で計量しているのでしょうか?

平松さん「回収する古紙は一般的には1キロ当たりの単価が設定されており、重量に合わせて金額が決まります。その計量は、お客様の工場内で計量するのが基本ですが、都合により計量器を設置できないこともあります。そういった場合は、弊社の業務センターに引き上げてから計量します。弊社では計量した重量を担保するために、”公認台貫”と呼ばれる特定計量器で計量しています。出荷する際は、まずトラックのみで計量し、その後トラックにプレスした塊を載せ計量します。その差が積載した荷物(古紙)の重量となります。だいたいトラック1台につき10~12トンほど積み込むことができます。」

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*台貫 トラックごと載せて計量が可能な大きさです。

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*台貫で計量された数値がこの計量器に表示されます。

🗞計量の規模が大きいですね。

平松さん「そうですね。弊社には40トンまで計量できる台貫が設置されていて、これは一辺10メートルほどの大きさですので、一般的に見るとスケールが大きいと思います。そういった計量器があるので、手作業で運ぶことも減りました。とはいえ手で選別したり運ぶことがなくなったわけではないので、大変なこともありますね。」

🗞川春さんのスタッフはどんな方々が多いのでしょうか?

平松さん「男性が多く、女性は1割ほどです。15トントラックの運転に憧れて入社した女性スタッフもいます。トラックの運転だけでなく、多少の力仕事もあるので、はじめは“紙ってこんなに重いんですね・・・”と言っていましたが、現在では活躍してくれています。」

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*かなり重量のある資材をリフトと人の手でトラックに積み込みます。

常に発生する伝票発行、処理

🗞台貫で計量した後はどのような流れになるのでしょうか?

平松さん「計量後は正確な重量などを記録した計量伝票が発行されます。この伝票はお客様の工場で計量する場合も、弊社の台貫で計量する場合も、その重量を記録したとても重要なものです。そして、この伝票を使ったやり取りが常に発生するため、その数も膨大です。」

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*膨大な数の計量伝票

🗞計量伝票作成の流れを教えてください。

平松さん「担当者が台貫で計量した台貫票(数字)を事務担当に渡します。事務担当はパソコンで数字を打ち込み、計量伝票をパソコンで作成します。この計量伝票を提出用と保管用の2部印刷し提出用を営業担当に渡します。営業担当はこの計量伝票を車でお客様担当者の方に手渡しします。」

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🗞郵送ではなく手渡しなのですね。

平松さん「以前からそのやり方です。営業としてはお客様担当者にお会いできる機会でもあります。しかし、新型コロナウイルス拡大のため接触機会を減らしたいということもありやり方を変えたいという思いがありました。また、車での移動に時間がかかっているという問題もありました。逆に郵送にするという発想はこれまでなかったですね。」

🗞川春さんは、そんな紙の伝票をクラウド化するシステムを導入されているのですよね。どんなきっかけから始まったのでしょうか?

平松さん「特に弊社のような古紙を扱う業界は働き手の確保が大切です。そんな中、スタッフにとってより働きやすい環境とは何かを考えたことが最初のきっかけです。これからも働ける職場環境を考えると、何か変化を起こさなければという考えに至りました。私たちの職場は紙の書類が多く、どうしても会社で作業をする必要がありました。また、先ほどもお話ししたように新型コロナウイルス対応で接触機会を減らす必要もありました。」

🗞クラウド化するためのシステムはどのように選んだのでしょうか?

平松さん「そんな時にたまたま凸版印刷さんの『NAVINECTクラウド』を知り紙でやり取りしている部分をクラウド化できないだろうかと考えました。管理がしやすくなるだけでなく、コロナ禍において接触機会を減らすことも期待できるなと思ったんです。ちょうど凸版印刷さんが新しいクラウドを発表されたタイミングでニュースを見たことがきっかけです。」

🗞具体的にNAVINECTクラウドをどのように使っているのでしょうか?

平松さん「さきほどお話した計量伝票を電子化しています。台貫で計量した重量をパソコン上で入力すると、弊社規定のフォーマットで書類が出力されます。印刷は必要なく、パソコンやスマホからクラウド上で書類を確認することができます。営業担当はクラウド上の書類を確認し、承認します。承認後お客様にメールで送信するという仕組みです。」

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*NAVINECTの登録画面

🗞NAVINECTクラウドを導入したことで、パソコン入力するようになったのですか?

平松さん「いえ、パソコンで重量を入力する作業は以前から行っていました。ただ発行した伝票をお客様の元へ直接届けるという部分は、重量の証明でもあり金額に関わるため、届ける回数を減らしたりすることはできませんでした。そこへNAVINECTクラウドを導入したことで、ペーパーレスにすることができました。データの保存や確認作業も容易になり時間短縮にも効果的と感じています。」

🗞導入にはどれくらいの期間がかかりましたか?

平松さん「取り組みを始めてからは半年くらいかかっていますね。現場に説明したり勉強会を開催したりといったことを何度も行なってきました。凸版印刷さんからオンラインで説明会を開いていただき、メンバーに共有しました。」

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*オンライン説明会、社内勉強会の様子

🗞 メンバーの方々の反応はどうでしたか?

平松さん「最初はどうしてこんなことをやるのかという意見もありました。紙でできてるじゃないか、という意見もありました。しかし、メンバーに対して何度も説明を行い、働き方改革、接触機会削減、安定雇用の継続などを考えるとこういう取り組みをしていかないといけないんだということを感情を込めて説明させてもらいました。実際に紙を手持ちしなくてもよい営業担当が出てくるんだと、そういうメリットをお話ししてきました。」

🗞メリットをお話しされたのですね。

平松さん「メリットばかりではなく導入する当初は手間も増えるかもしれません。そういったことも話していました。更に、当初は昔の業務と並行してもいいじゃないか、といったことも話しました。しかしこのクラウドシステムに入れることで紙を持参することがなくなり、最終的にデータとして管理できるというところにつながっていくのだということを丁寧に説明しました。その結果、徐々に意識は変わってきたのかなと思います。」

🗞今ではメンバーのみなさんは前向きに取り組んでおられるんでしょうか?

平松さん「こういうこともできないかというボトムアップの意見も上がってくるようになりました。計量器から直接データを取り込めるようにならないかという話も出てきています。」

🗞実際、計量器から直接データを取り込むことは可能なのでしょうか?

平松さん「最新の計量器にはデータ出力できる機種もありますので機械を入れ替えれば実現することができます。しかし計量器の耐用年数は長く、15年から20年あります。順次入れ替えの時期も来ていますので今後は直接データを取り込むことも可能になると思います。」

🗞今後の課題はありますか?

平松さん「この仕組みを複数の取引先にも提案しています。まだ紙がいいという取引先もいるのですが、ペーパーレス・クラウド化することでお互い便利になりますので提案していきたいと思っています。また、別の機能も追加していきたいと考えています。」

🗞他社さんにもこの仕組みをお勧めされますか?

平松さん「本音をいえば先行者利益はほしいというところですが(笑)、ぜひ他社さんもトライしていただきたいと思っています。経費削減や効率化という目的もあると思うのですが、高齢化社会や介護、子育て、新型コロナなど社会がいろいろ変わっていく中で、いろんな働き方を支えていく仕組みとして考えていってほしいです。」

印刷会社の最大手 凸版印刷が提供するITソリューションNAVINECTクラウド

🗞導入されたNAVINECTクラウドの開発元である凸版印刷松本博さんにお聞きします。今回川春さんが導入されたNAVINECTクラウドの特徴を教えてください。

松本さん「凸版印刷には各地の自社工場で使っていた数多くのアプリケーションがあり、それらを汎用化して開発したクラウドシステムです。在庫管理指示管理生産点検といった機能をリリースしています。川春さんは指示管理の機能をご利用いただいています。凸版印刷ではありますが印刷工場だけではなく今回の川春さんのような業態や製造業、トイレタリ、医薬品などあらゆる分野でお使いいただける仕組みです。」

NAVINECTとは

NAVINECTができること

🗞今回川春の平松さんは勉強会を何度も実施されたとおっしゃっておられましたが、凸版印刷さんがご支援されたのでしょうか。

松本さん「はい、凸版印刷が勉強会を実施させていただきました。ご要望も直接お聞きし実現に向けてご一緒に連携してきました。サービスデスクを設置しており、導入後のフォローアップも実施しています。」

凸版印刷さん紹介_2

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NAVINECTのサービスページはこちら!https://navinect.jp/


〜🗞ものづくり新聞編集部より🗞〜

編集部メンバーには紙リサイクル業界を知っているメンバーはおらず心配しましたが、川春の平松さんのご丁寧な説明でお仕事の流れと取り組みの内容について理解することができました。お客様の工場に24時間常駐、台貫と呼ばれる計量器、ベールに圧縮し製紙会社に運搬、といったお仕事の中に大量の紙伝票があるということを知りました。そして、働き方改革や会社の変革のためにクラウド化に取り組むにあたり、勉強会や説明を何度も行なって説得を重ねたお話が印象的でした。

DXというふうに呼ぶとデジタルツール導入という印象になるのですが、その導入のためには実にアナログな人間的な対応が必要であるということを学んだインタビューでした。




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