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ものづくりインタビュー

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ものづくりの現場で、改革/改善に挑戦されている人たちに、その取り組みのストーリーをリアルに語っていただくインタビューです。同じように改革/改善に取り組まれている方、そしてこれから… もっと読む
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#renew

勇気を出してありのままの「木地」を見せたことで、自社製品開発が始まった 井上徳木工 井上孝之さん

漆器製造の世界は、「木地」「下塗り」「上塗り」など複数の工程が必要です。「越前漆器」の産地である福井県鯖江市は、昔から工程ごと別の職人や会社が担当する“分業制”で漆器を製造してきました。その中のひとつに「木地(きじ)」を作る工程があります。木地とは、漆を塗る前の白木のままの木材や器のことを指します。 今回は木地のなかでも、「角物(かくもの)」と呼ばれる重箱や小箱などの四角い木地を製造している有限会社井上徳木工の代表、井上 孝之(いのうえ たかゆき)さんにお話を伺いました。井

「じゃない人」も、ものづくりの未来を考えている 10年後の越前鯖江を「産業観光の聖地」にするという野望を掲げて。 TSUGI 新山直広さん

「RENEW(リニュー)」は、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した産業観光イベントです。“見て・知って・体験する” を合言葉に、普段立ち入ることのできない工房を見学したり、ものづくりにトライしてみたりと作り手とつながることを目的としています。 2022年10月に開催されたRENEWの最新イベントレポートは、こちら(前編・後編)よりご覧ください。 編集部はRENEWに参加し、その盛り上がりに驚きました。その盛り上がりの背景を探るべく、RE

なぜ『RENEW福井』は日本トップクラスの産業観光イベントに発展したのか?(運営する「人」編)

今回は、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した産業観光イベント「RENEW(リニュー)」の運営「体制」とその中の「人」に迫るインタビューです。 今回の取材は、2022年3月、コロナの影響により約半年遅れで開催された「2021年度のRENEW」を訪問した際、出展者・来場者を問わず、RENEWに集まった多くの人たちが心からイベントを楽しむ様子に、我々が大変感銘を受けたことをきっかけに実現しました。 前編の『運営の「体制」編』では、産地のサポータ

なぜ『RENEW福井』は日本トップクラスの産業観光イベントに発展したのか?(運営の「体制」編)

今回は2022年10月に、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した産業観光イベントRENEW(リニュー)を運営する「体制」とその中の「人」に迫るインタビューです。 取材のきっかけとなったのは、2022年3月、コロナ禍で延期されながらも開催にこぎつけたRENEWの会場で、ある光景を目にしたからでした。それは、開催前日で準備の真っ只中にある会場の至るところで、20代前半くらいの若い人たちが楽しそうに作業をされている光景です。周囲を延々と続く田畑に

「真似する側に回るな、真似される側でないとだめだ」 漆琳堂 内田徹さん

寛政5年(1793年)から200年以上続く越前漆器を製造販売する株式会社漆琳堂の代表取締役 内田徹(うちだとおる)さんと職人の嶋田希望(しまだのぞみ)さんにインタビュー取材させていただきました。福井県鯖江市・越前市・越前町で開催された産業観光イベント「RENEW2021」の直前のインタビューとなりました。 漆琳堂さんの越前漆器工場見学 インタビューの前に、越前漆器工場を簡単に見せていただきました。 漆を塗る前の工程に「下地」という工程があります。木から器の形になった白木地

家で使ってもらえる和紙が漉きたい 滝製紙所 瀧英晃さん

越前和紙の伝統工芸士である株式会社滝製紙所の瀧英晃(たきひであき)さんにお話をお伺いしました。福井県鯖江市・越前市・越前町を中心に開催された産業観光イベント「RENEW2021」の直前に取材させていただきました。 滝製紙所は1875年に創業し、越前和紙の大紙を製造しています。機械漉きもされていますが、手漉き和紙では各種襖紙や全国唯一の襖判”檀紙(だんし)”等を製造されています。檀紙は楮(こうぞ)を原料として作られた縮緬状のしわを有する高級和紙のことです。大きさがイメージしに