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ものづくりインタビュー

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ものづくりの現場で、改革/改善に挑戦されている人たちに、その取り組みのストーリーをリアルに語っていただくインタビューです。同じように改革/改善に取り組まれている方、そしてこれから… もっと読む
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2022年12月の記事一覧

眼鏡のまちからときめきを 株式会社キッソオ 吉川精一さん

今回は、福井県の越前鯖江エリアで開かれる産業観光イベントRENEWの参加企業を紹介します。 RENEW(リニュー)は、福井県の鯖江市・越前市・越前町という伝統工芸の産地を中心に、年に一度、3日間にわたり開催される持続可能な地域づくりを目指す産業観光イベントです。RENEWのメイン会場がある福井県鯖江市は、日本国内で生産されている眼鏡の9割以上を生産する眼鏡の一大産地としても知られています。 眼鏡のフレームに使われるセルロースアセテート(以下アセテート)という材料は綿花由来

夫婦の出会いが“柄と繪”の出会い。 山謙木工所 山本卓哉さん 山本由麻さん

福井県越前市の伝統的な産業の一つに、「越前打刃物(えちぜん うちはもの)」があります。南北朝時代、京都のある刀匠が現在の越前市に移り住み、農民のために鎌を作ったことからはじまったといわれています。その後、1538年には専門の打刃物業者が現れ、鎌を製造したという記録が残っています。江戸時代に入ると、商工業者の同業者組織である株仲間が組織され、その技術が受け継がれていきました。(越前打刃物について詳しく知りたい方はこちらから) 農具の機械化により、鎌から包丁へと作るものを変えな

勇気を出してありのままの「木地」を見せたことで、自社製品開発が始まった 井上徳木工 井上孝之さん

漆器製造の世界は、「木地」「下塗り」「上塗り」など複数の工程が必要です。「越前漆器」の産地である福井県鯖江市は、昔から工程ごと別の職人や会社が担当する“分業制”で漆器を製造してきました。その中のひとつに「木地(きじ)」を作る工程があります。木地とは、漆を塗る前の白木のままの木材や器のことを指します。 今回は木地のなかでも、「角物(かくもの)」と呼ばれる重箱や小箱などの四角い木地を製造している有限会社井上徳木工の代表、井上 孝之(いのうえ たかゆき)さんにお話を伺いました。井