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ものづくりインタビュー

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ものづくりの現場で、改革/改善に挑戦されている人たちに、その取り組みのストーリーをリアルに語っていただくインタビューです。同じように改革/改善に取り組まれている方、そしてこれから… もっと読む
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勇気を出してありのままの「木地」を見せたことで、自社製品開発が始まった 井上徳木工 井上孝之さん

漆器製造の世界は、「木地」「下塗り」「上塗り」など複数の工程が必要です。「越前漆器」の産地である福井県鯖江市は、昔から工程ごと別の職人や会社が担当する“分業制”で漆器を製造してきました。その中のひとつに「木地(きじ)」を作る工程があります。木地とは、漆を塗る前の白木のままの木材や器のことを指します。 今回は木地のなかでも、「角物(かくもの)」と呼ばれる重箱や小箱などの四角い木地を製造している有限会社井上徳木工の代表、井上 孝之(いのうえ たかゆき)さんにお話を伺いました。井

たったひとりのスピーカー製造メーカー 理想の音を追い求めて マール・サウンドシステムズ 斉藤マールさん

コンサートや舞台で欠かせない機材のひとつ「スピーカー」。そのスピーカーをなんとたった1人で製造している方がいると聞きつけ、福井県越前市を訪れました。マール・サウンドシステムズの斉藤マールさんは、コンサートやイベントのPAエンジニア*として活動しながら、スピーカーの製造を行なっています。 一般的に、PAが使うスピーカーは、スピーカー製造会社が製造しており、スピーカーを「作る人」と「使う人」が異なります。しかし、斉藤さんはどちらもご自身で行っており、“自分で製造したスピーカーを

「じゃない人」も、ものづくりの未来を考えている 10年後の越前鯖江を「産業観光の聖地」にするという野望を掲げて。 TSUGI 新山直広さん

「RENEW(リニュー)」は、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した産業観光イベントです。“見て・知って・体験する” を合言葉に、普段立ち入ることのできない工房を見学したり、ものづくりにトライしてみたりと作り手とつながることを目的としています。 2022年10月に開催されたRENEWの最新イベントレポートは、こちら(前編・後編)よりご覧ください。 編集部はRENEWに参加し、その盛り上がりに驚きました。その盛り上がりの背景を探るべく、RE

なぜ『RENEW福井』は日本トップクラスの産業観光イベントに発展したのか?(運営する「人」編)

今回は、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した産業観光イベント「RENEW(リニュー)」の運営「体制」とその中の「人」に迫るインタビューです。 今回の取材は、2022年3月、コロナの影響により約半年遅れで開催された「2021年度のRENEW」を訪問した際、出展者・来場者を問わず、RENEWに集まった多くの人たちが心からイベントを楽しむ様子に、我々が大変感銘を受けたことをきっかけに実現しました。 前編の『運営の「体制」編』では、産地のサポータ

なぜ『RENEW福井』は日本トップクラスの産業観光イベントに発展したのか?(運営の「体制」編)

今回は2022年10月に、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した産業観光イベントRENEW(リニュー)を運営する「体制」とその中の「人」に迫るインタビューです。 取材のきっかけとなったのは、2022年3月、コロナ禍で延期されながらも開催にこぎつけたRENEWの会場で、ある光景を目にしたからでした。それは、開催前日で準備の真っ只中にある会場の至るところで、20代前半くらいの若い人たちが楽しそうに作業をされている光景です。周囲を延々と続く田畑に

私の手でグラスがもっとかわいくなる 世界に10人しかいない平切子の世界に飛び込んだ 椎名切子 石川 美幸さん

ものづくり新聞は、東京都江東区の椎名切子(GLASS-LAB株式会社)さんを訪れました。椎名切子は、1950年に椎名 三男(しいな みつお)さんが同地で創業した「椎名硝子加工所」の流れを汲み、三男さんの孫にあたる椎名 隆行(たかゆき)さんが2014年に創業したガラス加工専門店です。主に、平切子(ひらきりこ)、砂切子(すなきりこ)、カスタマイズグラスなどの企画・制作・販売を行っています。 平切子とは? 砂切子とは? 隆行さんの父・康夫さんは平切子、弟・康之さんはサンドブラ

はんこと根付、2つの技を持つ職人 峰月堂 山鹿 寿信さん

閑静な清澄庭園のほとり、東京メトロ清澄白河駅からほど近い場所に店を構えるのは、「峰月堂(ほうげつどう)」です。 ものづくり新聞オフィスのご近所さんでもあり、会社のゴム印を峰月堂さんに依頼したことがきっかけで今回の取材が実現しました。お話を伺ったのは峰月堂の店主、山鹿 寿信(やまが ひさのぶ)さんです。 はんことは? はんこは印章(いんしょう)とも呼ばれています。木や竹、金属、樹脂などの素材の一面に文字やシンボルを彫刻したものです。その面にインクをつけ紙などに押しつけると紙

偶然が生んだ製法?100年の歴史の中でピンチを救った看板商品 ひざつき製菓株式会社(後編)

今回のものづくりインタビューは、栃木県栃木市城内町にあるひざつき製菓株式会社です。『「美味しい」の裏側で挑み続ける。その美味しさの秘密とは? ひざつき製菓株式会社(前編)』では、工場潜入レポートと製造部長 谷島さんのインタビューで美味しい米菓づくりの秘密に迫りました。 後編では、ひざつき製菓4代目で営業部門の部長、膝附 宥太(ひざつき ゆうた)さんにひざつき製菓の歴史と今後についてお聞きしました。 ーー来年で創業100年ということですが、その歴史の中で時代の変化に合わせて変

「美味しい」の裏側で挑み続ける。その美味しさの秘密とは? ひざつき製菓株式会社(前編)

今回のものづくりインタビューは、栃木県栃木市城内町にあるひざつき製菓株式会社です。ひざつき製菓は主にせんべいなどの米菓の製造・販売を行なっています。また、株式会社武平作(ぶへいさく)という関連会社では栃木県内で販売するお団子など生菓子の製造・販売を行なっています。 ひざつき製菓のおせんべいひざつき製菓は自社企画商品の製造販売とPB(プライベートブランド)やOEMといった小売店や卸売業者などの企画による商品の製造販売の大きく2つの事業があります。 自社企画商品の代表は『城壁

システムエンジニアから鋳造の道へ 新たな「吹き分け」を研究 般若鋳造所 般若雄治さん

今回編集部が訪れたのは富山県高岡市です。富山県の北西部に位置する高岡市は、市内の西側には山があり、北東側には富山湾が広がる自然に恵まれた地域です。市内には高岡大仏や金屋町の街並みなど歴史深い場所でもあります。ものづくりの観点から見ると、伝統工芸の高岡銅器に代表される鋳物(いもの)の生産が盛んな地域です。 高岡銅器とは 銅器とは、その名の通り銅を材料とする器具や道具のこと指します。鍋や釜などの容器以外にも、仏具、農具、火鉢、銅像なども含めて銅器と表すことがあり、高岡市で作ら

日本で6社しかない革漉きの仕事を未来に繋ぐ 株式会社伊藤登商店 伊藤 勢一郎さん

今回編集部が取材したのは「革漉き(かわすき)」を行っている工場です。革漉きとは、簡単にいうと革を薄くする作業のことです。皆さんの手元にある革製品のほとんどは、革漉きによって薄くした革を加工して作られています。薄くすると言ってもその道は奥深く、どのくらい薄くするかは扱う革の種類や部位によって変わります。 株式会社伊藤登商店ホームページ(革製品の特徴について紹介されています) お話を伺ったのは株式会社伊藤登商店の伊藤勢一郎(いとう せいいちろう)さんです。伊藤さんの革漉き工場

厳しい現実を受け入れ、紙屋に何ができるか考えた 紙100%の『ホントの紙ねんどつくるキット』株式会社相馬 久保田 明男さん

2022年7月に開催された「第18回ライフスタイルWeek夏」で興味深いブースを見つけました。そのブースに掲げてあったのは『ホントの紙ねんど』という文字です。子供の頃に紙粘土を使って遊んでいた記憶が蘇りました。 一般的な紙粘土、実は紙が入っていない!? ブースに立ち寄り話を聞くと、実は一般的に市販されている紙粘土の主な原料は炭酸カルシウムで、ほとんど『紙』が入っていないんだとか!『ホントの紙ねんどつくるキット』は『紙(パルプ)』100%で作った紙ねんど、だから『ホント』な

小さなロスを潰し『もっとラクに働けて、仕事に集中できる』町工場へ 有限会社今村精工 今村清孝さん

編集部は長野県飯田市にある有限会社今村精工を訪ねました。今村精工はマシニングセンタやNC旋盤加工機を用いた精密部品加工を行なっています。今回お話を伺ったのは、専務取締役の今村清孝(いまむら きよたか)さんです。 編集部が注目したのは今村精工のIT・IoT化についてです。今村さんが入社された2011年頃から取り組み始め、様々なツールを活用しながら、『もっとラクに働けて、仕事に集中できる』そんな町工場を目指しています。 近年、IT・IoT化に取り組む町工場は増加しています。2

3Dフードプリンタを活用して、いつでもどこでも誰でも食を楽しめる世界を作りたい Byte Bites株式会社 若杉 亮介さん

編集部は東京都新宿区新大久保を訪れました。向かったのはJR新大久保駅直結のビルにある施設、その名も「Kimchi, Durian, Cardamom,,,(キムチ,ドリアン,カルダモン,,,)」です。 名前を見るとどんな場所だろうと不思議に思います。中に入ると綺麗で洗練された空間が広がっていました。こちらは「新しい食文化」と「食を通じた新しいライフスタイル」をテーマにした食の交流施設です。 今回インタビューさせていただいたByte Bites(バイト バイツ)株式会社はこ